高い映写機っすね Apple Vision Pro

 Apple 製品の著名エヴァンゲリストであらせられる林信行氏や西田宗千佳氏のポエム記事を拝読しました。

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 感想として、写真や映像の体験がすごいのだろうことはわかったのですが、Mac のスクリーンが空中に浮かんでいて、それをタップすることでウインドウを前後左右に開けるというのは、果たして便利なのでしょうか? わたしはそうは思いません。絵面は確かに未来的で「映え」ますが、巨大なウインドウを見渡すのは首が疲れそうです。

 

 わたしはコンピュータは2つの方向に分かれていくと思っています。エンターテインメントを味わうための端末と、仕事をするための端末です。

 Apple Vision Pro の体験記事を読むかぎり、エンターテインメント用端末としての可能性は感じますが、業務用端末として価値があるように思えません。

 仕事をするための端末に求められるのは生産性の向上や業務負荷低減であり、Apple Vision Pro にそういった方向性の機能が備わっていないからです。

 なのでこれが革命的な「コンピュータ」っていうのは言い過ぎちゃうかと思うわけです。

 

 iPhone も α シリーズ(ソニーのミラーレス)も初期は割高で、使いやすいものとはいえませんでした。が、iPhone は既存の携帯電話を駆逐し、α シリーズはもっとも売れているカメラです。そういうことが起きるのはわかっているので、いずれ Apple Vision Pro も空間コンピュータというジャンルを世間に定着させるに至るのかもしれません。

 

 けれど写真や映像の体験がすごいだけでは ちょっとすごい AV 機器でしかなく、それが人生に必要かと言われると、わたしはそうは思いません。

 たぶん Apple Vision Pro が本当に画期的な端末になる鍵は、ゲームだと思います。 Apple Vision Pro でしか味わえないようなゲーム体験――たとえば自分自身がオープンワールドを旅しているような――が実現すれば、需要はぐっと伸びるんじゃないですか? 知らんけど。

 

 エヴァンゲリスト() たちの御高説は置いといて、実際に Apple Vision Pro を体験し、それが自分の人生にいま必要なものなのかは各ユーザーが冷静に考えるべきかと思います。

 MaciPhone もここ数年は劇的なアップデートがなく(個人の感想です)毎年買い替える意味を見いだせなくなりつつあるいま、Apple 製品に関しては厳し目に見たほうがいいんじゃないかと愚考する次第です。