コミック百合姫が月刊化後1年で残したもの・失ったもの

 わたくし百合姫は毎号買ってますが、昔から打ち切りとか作家さん離れとかラフのまま掲載(晒しかよと思った)などの不穏行為が目立っていたので、月刊化すると聞いたときは驚いたものです。この編集部に月刊刊行なんてできるのかと。
 そんな天邪鬼な読者の不安をよそに、月刊コミック百合姫は発進しました。10作品(正確には2か月目にもう1作品始まっているので、11作品)の新連載とともに。
 さらに8月(だったと思う)にはウェブ雑誌「ゆりひめ@ピクシブ」までスタートし、「オイオイオイ」「死ぬわあいつ」と思った読者は少なくなかったと思います。

 

 そして昨月、つまり2017年11月の(2018年)1月号で1週年を迎えたわけですが。
 1月号を見てわたくし思ったわけですよ。「ずいぶん薄いな」と。

 そんなわけで、月刊化後百合姫の掲載ラインナップを表にしてみました。

 

 その結果がこちら。

docs.google.com

 

 1年前の2017年1月号は740ページ(目視確認)ありました。
 しかし最新の2018年1月号は514ページです。1年前より3割減ってるわけですね。そりゃ薄いなと思って当然です。2017年1月号はご祝儀的に厚く、次月以降は550~650ページ程度で推移しているとはいえ、それに比べても514ページは少ない。
 しかもこの中には、ゆりひめ@ピクシブ掲載作の再録(といって良いと思われる)や、コミック大賞入選作品の前倒し掲載まで含まれてるわけです。それだけ万策尽くしても514ページ。

 

 その原因ははっきりしています。打ち切りの嵐です。

 月刊化と同時に連載開始したのが11作品と言いましたが、そのうち6作品が完結しています。半分近い割合ですね。

 確かに打ち切られた作品は、単行本の売れ行きもよろしくなかったようです。書籍ランキングデータベースの数字を見ると、以下のようになっています。

 

明日、きみに会えたら 1 733部

Now Loading...! データなし

晴れの国のあっぱれ団 774部

ロク+イチ暮らし データなし

週末なにしにいこう? 822部

ホームズさんは推理ができない 1、2 データなし

 

 ということで、実売1000部以下というのは概ね正しいようです。

 

 ただ、いくらなんでも1巻出る前に打ち切りを決めるというのは早すぎないでしょうか。
 結果的にその後は掲載作品が少なくなり、ゆりひめ@ピクシブの出張掲載(という名の再録)を毎号行う状態になっています。それでもページ数は確実に減ってきているんですが。

 

 カリスマ編集者荻野謙太郎氏のツイート(リンク)によれば、「連載と打ち切りを決定するのは編集長の権限」なんだそうです。
 つまり百合姫で上述6作品の打ち切りを決めたのは、当時編集長だったりっちぃ氏ということになります。またお前か! 感しかありません。

 

 この打ち切りの嵐が罪深いなと思うのは、打ち切られた作品の作者様の何割かはもう百合姫に戻ってこなさそうなところ。
 作家さん側からすれば、編集部と「こういう連載やりましょう」と決めて始めた。でもウケが悪いと言われ、たった数か月で打ち切りを宣告された。……ということになろうかと思います。
 これでは編集部に対して不信感を持つのは当たり前ではないでしょうか。そっちがいいっていうから始めたのに、いざウケなかったら手のひらクルーか! と。もう百合姫には描きたくない、と考えてしまっても仕方ないと思えます。

 

 月刊化で『私の百合はお仕事です!』『たとえとどかぬ糸だとしても』など、良作が生まれたことは確かです。
 しかしそれ以上に多くの作品が打ち切られ、読者と(おそらく)作家さんたちの編集部への不信が増大した1年だったと思います。

 

 来月号では『捏造トラップ-NTR-』がクライマックスを迎えます。賛否両論な作品でしたが、ほぼ毎号確実に掲載される(つまり原稿を落としてない)貴重な戦力であったことは確かです。つまり翌々月からは20ページくらいが計算できなくなるわけですね。ページがまた減りそうです。
 唯一の好材料は、打ち切りを多数決めたりっちぃ氏が編集長を外れたことですね。
 次の編集長には向こう見ずな打ち切りの乱発だけは止めていただきたいものです。