(FG)Oの話をするとしよう

 わたくし地上最古参のTYPE-MOONファンのひとりですが(世界で一番はじめに月姫の二次創作描いたのは実はわたくしだったりします←どうでもいい自慢)、FGOはやってませんでした。

 が、TLの型月ファンたちが次々にハマっていき、その盛り上がりが昨年末の第一部において最高潮になるに至り、とうとうわたしも始めてみました。

 年末から初めて、現在第六特異点まで終わったところですが、なるほど確かにこいつは面白い。
 わたくしのソシャゲ歴はモンハン、モバマス(デレマス)、神撃のバハムート、艦隊これくしょん、千年戦争アイギスデレステ(リズムゲー苦手なので速攻で脱落)といった感じで、一時期モバマスなどは総額7桁の課金をした所謂廃人でございますが、これらのソシャゲと確かにFGOは違う。

 

 そんなわけで今日はFGOについて楽園の端から君に聞かせようと思います。

 

FGOと他のソシャゲは何が違うのか

 よく世間で見るのが、「FGOは他のソシャゲと違ってシナリオが面白い」「さすが奈須きのこ」「これは菌糸類だから可能なのであって他のソシャゲでは真似ができない」といった発言ですが、僕に言わせると、これらは半分合っていて半分間違っています。

 

 FGOが他のソシャゲと比較して明らかに異質なのは、サービスイン時点でシナリオの概要が完成している、つまり結末(※あくまで「第一部」という位置づけ)がどうなるかは確立しているという点です。僕はそれなりのソシャゲ廃人ですが、このようなシナリオの作り方をしているソシャゲを他に知りません。


 他のソシャゲでは、世界観と主人公がやるべきこと、そしてすごいざっくりした目標(世界を救う、担当アイドルをトップアイドルにするなど)しか提示されません。そこに至るまでの道のりは、おそらく制作者は考えていないでしょう。

 

 ですが、FGOにおいては、少なくとも第一部のシナリオはざっくり用意した上でサービスを開始しています。その証拠に、序章(特異点F)の時点から、終盤に向けての伏線が既に張られていることが分かるはずです。終盤において登場する人物――まあマー○ンなんですが――について、ロマニが彼を知っているらしいこととかは早い段階で示唆があります。


 これは、面白いストーリーを作るという目的において、圧倒的なメリットをもたらします。先を見据えた伏線がいくらでも貼れるからです。


 というか、他のソシャゲにおけるストーリーの作り方のほうがよほど難しいと思いますね。話がどう決着するかをまったく提示せず、個々のイベント――RPGでいう「お使い」――の面白さだけで引っ張っていかないといけないのですから。


 他のソシャゲがそれを強いられている理由は明白です。ソシャゲはエンディングを迎えることが許されないから、です。エンディングを迎える=サービス終了を意味するわけで、それではユーザーを引き止められない。終了すると分かっているソシャゲに手を出すユーザーはいないからです。

 

 が、FGOは「第一部」という言い方をすることによって、物語に一旦の区切りをつけることを可能にした。
 これは方法論の違いというか、ソシャゲというものに対する方法論の違い、気付きの違いであって、優劣ではないのです。
 それでも、実際にFGOは成功しましたし、何より長時間遊ぶコンテンツには中盤のヤマというのは欠かせません。『ユーリ on ICE!!!』のセリフに「終わりのない物語ほど面白いものはない」とかいった趣旨のセリフがございますが、終わらないことと同時に、適度に山場が必要なのです。フィギュアスケートでのグランプリファイナルがそうであるように。
 そしてTYPE-MOONというのは、中盤のヤマを作らせたら右に出るものはいない存在です。月姫Fate/Stay nightもそうだったよね?

 冒頭に「奈須きのこにしかこのゲームは作れないわけではない」と言ったのは、そういう理由です。他のソシャゲでも、FGOと同じ方法論を用いれば、同じような面白さを持ったゲームは作り得る。

 

 とはいえそんなFGOもバランス調整には当初苦労していたらしく、菌糸類自身が「竹箒日記」で序盤のバランス、端的にいうと戦闘が多すぎることを認めています。


 大幅に手を入れたのは第五特異点からだそうですが、なるほど第四特異点と比べるとザコ戦の数が明らかに減っています。第五特異点はそれまでと比べてシナリオ的に結構ボリュームがあるのですが、一話あたりのザコ戦が少ないのでストレスは軽減しています。


 そして、その第五特異点があるからこそ、第六特異点の真の狙い(だと思われる)、つまり「それまでより圧倒的に強力なボスを登場させて存在感を強調する」ことに成功してるわけです。

 

これからFGOを始めるかたのためのワークアラウンド

 ではこれからFGOを始めようというかたに向けて、これだけは覚えておこうというポイントをまとめてみます。

 

1)FGO廃人とフレンドになる

 いきなりそれかよと言われそうですが、まあそれが現実だ。
 FGOはパズドラと同じで自分のキャラ5人+フレンドのキャラ1人でパーティを組みます(戦闘に立つのは3人で、戦闘中は基本的に入れ替え不可)。フレンドでない人を助っ人に入れることもパズドラ同様可能ではありますが、フレンドじゃない人のキャラは宝具が使えないという重大な問題があります。このゲームは宝具が使えないと全く厳しいので、強いキャラを揃えているフレンド様は絶対に必要です。

 

2)相性ゲーであることを知る

 とある職業(とか種族とか、ゲームによって言い方は色々)のキャラはこの職業には強いけど別の職業には弱い。そんな属性の相性をゲームシステムに取り入れているゲームは珍しくないですが、FGOのそれは少々極端でして、自分が得意な属性(サーヴァント)に対しては2倍、逆に自分が苦手な属性には1/2しかダメージを与えられないシステムとなっております。

 これは与えるダメージだけでなく受けるダメージにも適用されるので、得意な属性を相手にするのと苦手な属性を相手にするのでは、理論上4倍の差が生じることになります。

 従って、このゲームでは強いサーヴァントが一人二人いるだけではダメで、全属性のサーヴァントをある程度自前で揃える必要があります。

 そしてフレンドに対しては、手持ちの全属性のサーヴァントを助っ人に出すことができますし、逆にフレンドから全属性のサーヴァントを借りることができる。
 最悪、手持ちのサーヴァントが不足していても、フレンド様の強くて属性的に有利なサーヴァントを借りるだけでなんとかなることもあります。

 

3)序盤のレベル上げ

 FGOでは主人公=マスターとサーヴァントにそれぞれレベルが設定されています。マスターのレベルは戦闘を重ねるごとに上がりますが、サーヴァントのレベルを上げるには、他のサーヴァントもしくは「種火」というレベルアップアイテムを合成する必要があります。


 序盤、まずは種火が集中的に得られるクエストをやり込みましょう。序盤はそれだけでマスターのレベルがガンガン上っていきます。FGOもご多分に漏れず主人公の体力が尽きたら行動できなくなるというソシャゲ特有のシステムを採用してますので、まずはマスターのレベルを上げないと十分な体力が得られず、ゲームを進められません。
 そしてFGOの便利なところは、レベルアップで回復した体力は現在の体力にまるまる上乗せされること。例として、最大HPが100で現在のHPが50のときにレベルアップして最大HPが101になったとすると、レベルアップ時はHP151になるのです。他のソシャゲだとレベルアップ時には101までしか回復しないゲームも有り、微妙に損した感が出るのですが、FGOにはそれがありません。FGOは良い文明!

 

4)再臨にはアイテムが必要である

 FGOでは、サーヴァントの強さ=レアリティに応じて最大レベルが設定されています。★3なら30、★5なら50といった具合。それ以上レベルを上げるためには(レベルキャップを開放する)ためには、霊基再臨というのをやる必要があります。これは10レベルごとに必要なのですが、そのためにアイテムを要求されます。そして当然、高いレベルに上げようとすればするほど、必要なアイテムは希少になり、また要求数も増えていきます。

 

 つまり何が言いたいかというと、サーヴァントはある程度計画的に育成する必要があるということです。どのサーヴァントにも霊基再臨をやろうとすると、莫大な時間がかかります。初心者にとって、それは現実的ではありません。


 FGOは(ガチャに)お金がかかるゲームでは確かにありますが、金の力だけで解決するゲームでもないんですよね。むしろ時間のほうが必要です。逆にいうと、あんまり課金しないでも長時間遊べるともいえるわけですが……。

 

 その他ゲームシステムは多々ありますけど、それらはストーリー追いかけながら覚えていけばいいのかなと思いますねー。

 

謝辞

 最後に、ごくごく個人的な感想――というかお礼を述べさせていただきます。

 

 FGOを始めた頃、僕は職場の人間関係で悩んでいました。


 今の職場には10月から入っているんですが、相性が良かったのか僕自身は覚えが早く、結構というかチームで2~3番目には仕事量をこなしています。

 が、同じチームにすごい仕事をしない(できない?)人たちがいまして、僕は頭に来ていたのです。同じような給料(契約社員はともかく、正社員様は僕より遥かに多いハズ)もらってるのに何故彼女たちは僕の1/3とか1/5しか仕事しないのか、しかもその状況に危機感がないのかと。

 そういう疑問があったんで口にしていたら「チームプレイができない」的な評価になって、上述のオバさんですら初回の契約更新で派遣→契約社員にランクアップしたのに(見る目なさすぎとか言えないわけですが)、僕は見送りされるとか。なんや結局黙るしかないんか、問題の先送りじゃないのかそれはって延々考えてました。

 

 そんななかで出会ったのがFGOでございまして、特に第五特異点が素晴らしかった。

 ここに登場する人物(サーヴァント)たちは、自分の利益のためだけに身を投げうったわけではない。いや中にはきっちり儲けてる訴訟王とかもいますが、それ以上に、他の人々を助けたいという信念で動いている。

 

 これを見て、僕ははっとしたわけです。そっかー、仕事しない他人に怒るのではなく、彼らを食わせてやるために僕が働いてると思えばいいんだな! と。
 たぶんこれは慈悲でもなんでもなく、修羅が菩薩の顔をした修羅になるくらいの違いしかないんですがw、表面上は菩薩に徹しようと考えられるようになりました。

 

 そして第六特異点の物語も非常に興味深かったです。
 人類滅亡を前に、できることが限られた中で、何ができるのか/するのかという選択。

 それを見て思ったのは、いくら自分が頑張っていたとしても会社という屋台骨がなければ意味がないし、会社あるいは組織を崩壊させかねない言動は悪なんだなと。


 いやー、同じようなことは前にもあったはずなんですが、物覚えが悪いですね僕は……って感じなんですが、その気づきを与えてくれたのは、今回はFGOでした。

 

 ゆえに、僕はFGOというゲームに対し、そしてそれを世に出した人たち全てにお礼が言いたい。
 僕の心を救ってくださってありがとうございます、と。

 

 とまあ、そんな感じです。

 僕と同じように過去に型月作品にハマったことがある人には、FGOは文句なしにお勧めとだけ申し上げておきます。

 奈須きのこがシナリオ書いてるところだけじゃなく、他も十分面白いです。すごく「この話、どこかで見たことあるような……」ってなるのも型月のお約束なんですが、でも面白いと思ってしまう。悔しいw

 ただ、課金は計画的に。「出るまで回せば勝ち」は中毒者の思考というかパチンコや競馬にハマってる人たちと同じ思考系統なので、石油王か同人誌長者(同人誌作ってすごく儲けてる人)でもない限りお勧めできかねます。